数の子

071110kazunokosaramo

 

 

 

 

1.数の子とは?

数の子はニシン(鰊)の魚卵の塊を天日干しして乾燥させた干し数の子やそのまま塩水漬けした塩数の子を言いいます。現在は干し数の子は製造時の手間暇や食べる時の難しさから余り製造はされてはいません。北大路魯山人はこの干し数の子を絶賛していましたが、高価な高級品であるために一般的には塩数の子が昭和30年代後半から主流になりました。それまでは天日干しの干し数の子でした。塩数の子でさえ近年はニシンの不漁が続き決して安い食材ではなくなりました。

数の子の名前の由来はアイヌがニシンを「カド」と呼んでいたことからだという説と卵の数が非常に多いために「カズの子供」となった説の二通りあります。いずれにしてもめでてたさを強調しているようです。日本人が数の子を食べ始めたのは古く、1500年代の室町時代にはすでに足利将軍が食していたと記録にあります。その後、縁起物としておせちや結納時の食材として広く一般に広がっていったようです。江戸時代には庶民も普通に食べていたようです。多分量がたくさん採れて安く、日持ちが良かったからだと思われます。

漁獲は北海道の開拓とともに増えていき明治半ばに最盛期を迎え、昭和初期まで北海道の日本海側は活況を呈しました。特に留萌・小樽の日本海側には鰊御殿と言われれる番屋大邸宅が立ち並びました。しかし、昭和三十年以降海流の変動か乱獲の影響かニシンは姿を消してしまい、カナダ、アラスカ、ロシア等で漁獲された数の子が主流になりました。それでも平成8年以降若干の回復の兆しが見られ、ここ数年は小樽沖では群来も一部復活し国内産の数の子も製造を増やしている。

尚、子持ち昆布はニシンが昆布に卵を産み付けたものをいいます。追い込んだニシンの群れに昆布を垂らすと習性から昆布に卵を産み付けます。ニシンの卵は粘着性が強くそのまま張り付きます。(数の子が固く固まっているのもその粘着性によるものです) 昆布に付いた数の子はそのまま塩分を加えた調味液で味付けしますが、現在日本に流通しているものはほとんどカナダ産です。ただ、回転寿司などで子持ち昆布と称されているものは「カペリン」というカラフトシシャモの卵を接着剤で昆布に貼り付けたものがあるそうです。(カラフトシシャモはシシャモの代用品で流通しているものです。本当のシシャモは高価です)本物のニシンの卵の子持ち昆布は値段も張るために代用されているようです。食べる時に少し注意してみてください。